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人口1,300人の村への出店

人口減少、高齢化が進む北海道での出店政策

2014年12月、北海道北西部に位置する初山別村に初めてコンビニエンスストアが開店した。一般的にコンビニエンスストア1店が出店するために3,000人の商圏人口が必要とされる。人口減少、高齢化が進む中、あえて人口1,300人の過疎地域に出店したセコマ。セイコーマート初山別店開店までの裏側に迫る。


(株)セコマ 開発部

SRS直轄店スーパーバイザーを経験後、開発部にて店舗出店の土地を探すスペシャリストとして10年以上活躍。お客様が望んでいることを誠実に聞く姿勢と熱意を対応の速さで表現することをモットーにこれまでセイコーマートを110店以上開店させてきた。

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セイコーリテールサービス(株) 営業2部

2004年入社、スーパーバイザーとして、道北・道東・道南地域のFC店、SRS直轄店を幅広く担当し、常にセイコーマートがお客様に認められる地域で1番のコンビニになることを目指してきた。現在はSRS直轄店のマネージャーとして道南地区をまとめる。

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実は12年前から構想していた初山別村への出店

開発部で新店舗出店用地の調査、出店の交渉を担う高野。さまざまな業界や土地の人と関わる物件の交渉には、コミュニケーション能力・交渉力が重要だ。「店を出したら、必ずお客様から喜ばれると確信して交渉しています」と語る高野。
実は、開発部は初山別村への店舗出店を12年前から検討していたという。しかし、村で繁盛している個人商店がある等、諸事情により出店には至らなかった。

「村に若い人を引き留めるにはコンビニが必要だ」

2013年10月、議会でコンビニ誘致の承認を取り付けた初山別村からセコマへ出店の要請があった。子どもたちを始めとした村民からの要望があり、村としても人口減少が進む中、村に人を引き留めるにはコンビニが必要だとの強い願いがあってのことだった。そこで高野は建物所有者と出店地の交渉をスタート。いくつか候補地を上げて検討した。ただ、初山別村は人口1,300人の村だ。出店しても利益が取れない懸念もあった。せっかく出店しても利益が出なければ、閉店させなければならない。村に迷惑を掛けてしまう。「やみくもには出店できません。悩みました」高野は振り返る。
出店交渉を進める中、村で唯一の個人商店が閉まることが決まった。そのような状況で村長が出店の陳情のため会社に来たことを小耳に挟んだ。「このままでは村民が買い物難民となってしまう、何とか出店させたい」気持ちが高まった。

交渉を続ける中、村役場が土地を安価で提供してくれることになった。これが後押しとなり、何とか採算を合わせられそうだと出店にこぎつけた。 「初山別店がオープンしたときは目標の達成感でいっぱいでした。村長自ら買い物をしながら住民と歓談していた様子は今も目に焼き付いています。開店すると店と関わることが無くなるので、少し寂しい感じもします」

初めてのコンビニが村民に受け入れて頂けるのかという不安

当時、スーパーバイザーとして日本海沿岸(増毛町・留萌市・小平町)地区を担当していた柳本。初山別店の開店が決まった時について「村で初めてのコンビニエンスストアが、村民に受け入れて頂けるのかという不安はありました。同時に初山別店を地域にとって必要不可欠な存在にしていかなければならない、という使命感もありました」と語る。

村の協力があって実現した雇用の確保

柳本は担当SVとして開店前の従業員の募集、面接、採用業務に携わった。初山別村は高齢者の多い地域である。新聞折り込みの募集チラシだけでは必要なパート従業員の人員を確保できそうにない。そこで村役場に相談した。村の広報誌への掲載を始め、多くの方の協力により無事店舗開店の1か月半前に人員の確保、教育が出来る体制を整えることができた。
従業員は全員、地元の初山別村の方を雇用した。ほぼ全てのお客様がパート従業員に「がんばってね」等と声を掛けている姿が印象的だった。

初山別店を必要不可欠な存在にしていかなければならない

開店前日までは従業員含め柳本自身も不安で胸がいっぱいだった。しかし、開店当日の朝、店内から外を見ると吹雪にも関わらず、沢山のお客様が開店を待ち並んでいる。開店時、柳本は村民から「本当に助かります」と出店への感謝の言葉を沢山受け取った。過疎が進む村に出店を決めてくれたセイコーマートに対する村民からの感謝の言葉が初山別店が担う役割の全てを表していると柳本は感じた。「今後、初山別店をこの村において必要不可欠な存在にしていかなければならない」と身が引き締まる思いだった。

本当に村民に必要とされる場所にするため

柳本は毎週村役場へ通い、村内のイベント情報を仕入れた。イベント開催時には商品の提供等を行い、セイコーマートが地域と共に歩めるよう取り組んだ。また、SVとして店舗を訪問する際、村民の意見をもらうことも多くあった。餃子の皮や家庭用の調味料等、通常のコンビニでは扱わない商品も初山別店で需要が見込めれば可能な限り仕入れた。基本的にSVは直接接客をしない。しかし初山別店は特にお客様から直接ご意見を頂く機会が多く、密接な関係を築く事が出来ていたと柳本は感じている。

お客様と正面から向き合い、期待に応えられる店舗を築きたい

担当地区が変わり、初山別店と関わることはなくなった柳本だが、「常にお客様と正面から向き合い、ご意見を真摯に受け止め、期待に応えられる店舗を築きたい。セイコーマートが地域で一番のコンビニエンスストア、と呼ばれるために限界を設けず、常に改良を繰り返します」とSVとしての意気込みは変わらない。

村民、村役場と力を合わせて実現した出店

コールセンターへは毎年数十件に及ぶ出店要請が寄せられる。中には買い物環境に苦しむいわゆる買い物難民となっている地域からの要請も多い。セコマは1971年に第一号店が開店以来、これまで北海道と地域の皆さまに支えられて成長してきた。今後ますます人口減少、高齢化が進む北海道で、出店の依頼があれば可能な限り応えたいというのがセコマの出店政策だ。それがこれまで支えてもらった北海道とお客様への恩返しになるかもしれない。ただ、どんなに地域へ貢献したい気持ちがあっても利益を出せなければ出店は叶わない。他のチェーンが出店できない地域へもセコマが出店できる理由、それは道内全域に広がるセイコーマート店舗、セコマグループ製造工場、配送センターで構成された「物流網」だ。過疎地域への出店には、自社で物流網を持つ強みは欠かせない。セイコーマートが地域の食のインフラとなるために、セコマはサプライチェーンの強みを生かし、今後もより深く地域に根差していく。

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