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北海道メロンソフト

セコマグループだから実現した「ここにあるおいしさを、お手ごろに」

今やセイコーマートの代表的な商品となっている「Secoma北海道メロンソフト」。2006年に発売開始後、毎年改良を重ねてセコマグループが大切に育ててきた商品だ。アイスの開発には製造を担うダイマル乳品の存在が欠かせない。メロンソフトの開発秘話・商品へのこだわりについて、(株)ダイマル乳品 代表取締役社長の寺﨑さんにお話を伺った。


(株)ダイマル乳品 代表取締役社長

寺﨑 寿哉

1989年(株)セイコーマート(現、セコマ)へ入社、店舗経営・運営指導、店舗運営企画、商品部を経験、京極製氷(株)(現、北海道ミネラルウォーター)の社長を経て2014年に現在の(株)ダイマル乳品の社長へ就任。ソフトクリームの増産・保管体制を整備、搾汁事業の立上げからアイス製造までの一貫製造を構築、生産地と協働した地域アイスの拡充に貢献。


規格外メロンを活用したアイスクリームの誕生

今ではダイマル乳品の代名詞となった規格外メロンを使用したアイス。その取組みのきっかけは、2006年に苫前町の生産者様から規格外のメロンを利用できないかと相談されたことです。メロンの中身は美味しく食べられても見た目の良し悪しで規格外になってしまうものを活用し、美味しく食べられるようにしたい、という生産者の想いから商品の開発・販売を開始しました。

メロンを使ったアイスづくりは意外に難しい

アイスの甘さに負けないよう、メロンの特徴である芳醇で華やかな香りや味を強く出そうとすると、ウリ科独特の臭みが邪魔をして美味しくならない。
ダイマル乳品で試作した商品はセイコーマートの商品部へ提出しますが、なかなか承認を得ることができません。お客様に食べて頂くものだから味に妥協はしないので、試作は数十パターンに及ぶこともあります。
セイコーマートの商品担当者等と意見を出し合い、試作、改良を重ねて、生産者様の想いが凝縮されて完成したのがメロンアイスのシリーズです。

開発にあたっては、日々セイコーマート商品部と打ち合わせを行っている。

セコマグループだからできる取組み

セコマグループは「ここにあるおいしさを、お手ごろに」を目指しています。
ダイマル乳品で製造するメロンソフトには、北海道豊富町産の良質な牛乳も使用しています。これは同じグループ会社である豊富牛乳公社から調達しており、味づくりの大きなポイントです。
原材料にこだわった美味しいアイスでも、高い価格で販売しては「お手ごろに」とは言えませんから、無駄なコストは徹底的に削減しています。
畑で捨てられていた規格外メロンをダイマル乳品が集荷・搾汁しアイスへ加工、北海道の隅々・関東の店舗まで運び、お客様にお届けするまでを、セコマグループが一気通貫で行うことで実現する取組みです。
ダイマル乳品が製造するアイスは、近年ではセコマグループ以外への出荷も拡大させており、本州はもとより中国等の海外にもお届けしています。



地域との協働

規格外メロンに始まった地域との取組みは、今では北海道の多くの地域へと拡大しています。例えば厚真産ハスカップ、増毛町産の洋梨、滝上町や北見市産の和ハッカ、当麻町産のでんすけスイカにも取組んでいます。
生産者様が一生懸命に育てた大切な原料、残念ながら規格外になった原料から美味しいアイスをつくり、セコマグループのサプライチェーンを活用してお客様へお届けしています。

これらの取組みは生産者様のモチベーションの向上や地域振興を目指しています。生産者様が出荷した農産物が、どのような商品に加工され、どこで販売されているのか意外と把握できないことが多いようです。
ダイマル乳品が調達した農産物は自社で搾汁し、地域名を表示したアイス類としてセコマグループの物流部門を介してセイコーマート店舗等で販売されますので、生産者様は容易に把握することができモチベーションの向上に繋がります。
ダイマル乳品は生産者様や地域と協働し地域振興に取組むことで、地名や産地としてのブランド力向上を目指しています。

近年では、羽幌町、豊富町等の「ふるさと納税の返礼品」としてアイスを発送し、多くのお客様にご利用いただいております。地域の原料を使わせて頂き、その地域の税収入を増やすことを通して、地域社会の課題解決にも取組んでいます。

生産者様とお客様をアイスでつなげたい

メロンをはじめとする規格外品、大切な原料を提供してくださる生産者様に、感謝の言葉を頂くとやりがいを感じ励みにもなります。こちらも思わず、「貴重な原料を使わせて頂き、ありがとうございますと」と、お礼の言葉が出てしまいます。
こうした原料を無駄なく加工したアイスが店舗や通販を通して販売され「美味しい」、「まるでメロンを食べているよう」とコメントを頂くことがあります。お客様に購入され続けることで持続可能な取組みとなります。
感謝の気持ちを込めて、「お客様の購入が生産者を応援し守ることに繋がっています」と、お伝えしたいです。

SDGsへの取組み

羽幌地域には、ウミガラス(オロロン鳥)など、約100万羽の海鳥が繁殖する天売島があります。
世界的にも貴重な海鳥の繁殖地が羽幌地域にあるのは、天売島だけではなく、その周辺の自然環境が豊かであるためです。
こうした環境だからこそ、美味しい地元の産物が生まれます。

羽幌シーバードフレンドリー認証制度は「自然を守ること」「地域産業の発展」の両立を目指しています。ダイマル乳品では、SDGs目標12.「つくる責任・つかう責任」に該当する、規格外のメロン、かぼちゃ、いちごを使ったアイスで廃棄ロスの削減に取組んでいます。この他、省エネ活動を推進などへ積極的に取組んでいます。

もったいないをおいしさに~持続可能な社会づくりへ貢献~

メロンソフトを代表とするメロンアイスのシリーズ等を通して、規格外の価値を向上させたいと思います。
子供から大人まで規格外について考えるきっかけとなり、規格外という「もったいない」ものを、アイスという「おいしさに」変えることで有効利用に繋げたいと考えています。
北海道の様々な地域で生産されている特徴ある食材を活用し、アイスとして供給することで地域貢献ならびに、持続可能な社会づくりに繋がると信じて取組んでまいります。

■(株)ダイマル乳品の歴史

1964

札幌市でダイマル冷菓として創業。
割り箸を利用した「棒キャンディー」を製造し、当時のセイコーマート店舗では1本30円で販売した。

1988

豊富町へ移転。
 

2004

小さな工場のため製造が追いつかず手狭になり、縁があって羽幌町に移転した。
当時はノウハウもなく、初めて製造したソフトクリームは形が揃わず、半分が売り場に並ぶ前に廃棄になることもあった。
それでも改良に改良を重ね、豊富町の良質な牛乳を使用したソフトクリームを製造し販売したことで徐々に売上が増加した。

2011

「北海道産の良質な原材料を使用したアイスを地元の子供たちに食べてもらいたい」
という想いから、留萌振興局・宗谷総合振興局・空知総合振興局管内の小中学校の学校給食にアイスクリームが採用された。

2015

札幌市の小中学校の学校給食にもアイスクリームが採用される。
工場を増設しソフトクリームの製造能力を引き上げた。

2016

セイコーマート店舗以外への販路拡大を開始し、海外への輸出も開始された。
搾汁事業を立上げ果物や野菜の調達地域の拡充を進めた。産地との協働による産地名を表示したアイスを発売した。

2019

産地との協働による産地名を表示したアイスを発売した。